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地磁気観測所テクニカルレポート 第03巻 第01号, p.1, 2005年7月


柿岡と女満別のK-indexに関する調査


上杉忠孝,岩瀬由紀,小池捷春,吉田明夫


要旨

 柿岡と女満別観測所における1958年から2002年までの45年間のK-indexの和の長期的変化を調べて, 1978年3月のK-indexスケールの変更後, 女満別のK-indexは柿岡のK-indexに比べて大きめに求まっていることを明らかにした. 次いで, 女満別のK-indexの度数分布とKpの度数分布を比較し, 大きな値をとる場合の数が, Kpに比べて女満別のK-indexでは目立って少ないことを示した. Kpが同じ値をとる場合の女満別のK-indexの値の分布の様子と, 女満別のK-indexがある特定の値の時のKpの値の分布の様子は著しく非対称である. このことは, 女満別のK-indexとKpが同じ値をとるような地磁気擾乱と, 女満別のK-indexがKpに比べて明確に小さな値となる地磁気擾乱とでは, 擾乱の原因の性質が異なることを示しているのではないかと著者は考えている. また, 女満別のK-indexが6以上の値をとる数の経年変化と太陽のウォルフ黒点数の変化との間に相関があることを見つけた. この相関は, 大きなK-indexは大きな磁気嵐の時に観測されやすいこと, 磁気嵐に2つタイプがある中で大きな磁気嵐の多くは急始磁気嵐であること, そして急始磁気嵐の数とウォルフ黒点数の変化との間に相関が存在すること(吉田・他, 2004)に注意すれば説明できる. 一方, 小池(1991)は, 周期的な磁気擾乱は太陽活動が極大期から衰退に向かう頃に観測されやすいことを指摘しているが, そのことは, 周期的な磁気擾乱が緩始磁気嵐に伴って生じること, 緩始磁気嵐はコロナ・ホールからの高速太陽風によって起こされること, そしてコロナ・ホールの地球磁気圏への影響は太陽活動の減衰期に顕著になるという特徴によって理解できる.



[全文 (PDF; 日本語; size:2869KB)]


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