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地磁気観測所テクニカルレポート 第11巻 第01,02号, p.13, 2014年3月


伊豆半島東部における地殻の上下変動と関連する地磁気全磁力変動


笹岡雅宏,大和田毅,有田 真,山崎 明,田口陽介,小河 勉


要旨

 伊豆半島東部では,群発地震活動・異常地殻活動に関連する地磁気変化を検出するために地磁気全磁力連続観測が行われている.2010〜2012年の期間について,地磁気全磁力とGPS(汎地球測位システム)を用いて測定された測地高度の日々変動を比較することにより,磁場変動と地殻の上下変動との関連について調査した.全磁力連続データについては外部磁場変動を除去する解析を施した上で利用した.その結果,期間中の地殻の上下変動については季節変化が示されたが,全磁力については,2010年の地震活動が静穏な期間と2011年の地震活動が比較的活発な期間では季節変化が示される一方,2012年の地震活動が静穏な期間では有意な変化は示されていないことが分かった.2009年12月のマグマ貫入に伴う群発地震に関係する熱水活動がその後2年近く継続し,地殻の上下変動に関連して地下の熱水が変位することにより地磁気全磁力の季節変動が2010から2011年にかけて観測されたと推論した.観測された全磁力変化については,地殻隆起に伴って期待されるピエゾ磁気変化が有意に確認されなかったため,岩石の応力変化よりはむしろ地下の熱変化が原因で生じた結果である可能性が高いと考えられる.伊豆半島東部における全磁力連続観測には,群発地震活動の経過の見通しを立てる際に監視の優位性があると見込まれる.



[全文 (PDF; 日本語; size:5704KB)]


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