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地磁気観測所テクニカルレポート 第17巻 第01号, p.1, 2022年3月


地磁気観測所における大気電場と雷雲との関連の調査 −降雹4事例(2012/5/6,2014/4/4,2017/6/16,2018/5/24)−


熊本真理子


要旨

 地磁気観測所(茨城県石岡市柿岡)では構内で4件(2012年5月6日, 2014年4月4日,2017年6月16日,2018年5月24日),降雹が見られた.地磁気観測所で常時観測していた大気電場のデー
  タの時間変化と,気象庁の3次元レーダーや成田,羽田両国際空港設置のドップラーレーダーのデータの時間変化や降水量の関係から,雷雲の構造との関連について調査を行った.大気電場の
  変動の主な特徴は以下である.
   1) 降雹発生前5〜10分前に,中層に53dBz以上の領域(雹域コアと想定)が近づくと大気電場は大きく正(+)の極大に急変した.
   2) 雹域コアの降下時に,大気電場が負(−)側に変動し極小となり,直後に降雹が発生した.
   3) 降雹の発生時には,大気電場は0付近で変動が見られた.
   4) 降水が止むと,大気電場は負(−)の極小となり,エコー通過後,寒気移流時に大気電場は正(+)の極大に変化した.
   レーダーエコーの監視と共に,大気電場の変化をモニターすることによって,1),2),3)の変化から雹域コアの到来を探知し,降雹の発生を直前に知ることに繋がるのではないかと考え
  る.
   また,2020年の4〜10月の大気電場の変動が顕著な事例から,短時間降水が最大となる時には,大気電場が負(−)の極小になる場合と0付近で変動する場合があった.前者はウォームレインで,
  後者は上空で霰や雹を伴う降水と考えられる.短時間降水が最大となる時に,大気電場が正(+)の電荷となる事例は1例のみであった.2017年〜2019年の4〜10月について,大気電場の顕著な
  事例を調べたところ,2020年と同様な傾向であった.



[全文 (PDF; 日本語; size:26080KB)]


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