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地磁気観測所要報 第14巻 第01号, p.19, 1971年3月


光ポンピング磁力計による成分磁場測定法ならびに補償磁場に関係する誤差および安定度


佐野幸三


要旨

 光ポンピング磁力計を用いた成分磁場測定法ならびに測定誤差および安定度,特に偏角観測の場合について詳細に考察した結果について議論する.光ポンピング磁力計による直接の高精度偏角測定法は現在の技術では不可能で,実用上採用しうる同測定法は水平成分H と水平面内適当な方向のH の分力を同時測定し,合成するという複雑な方法でなければならない.なお,地球磁場の3成分として,水平成分,鉛直成分および偏角を取るという立場に立って考察を進めた.
  観測精度,誤差の考察の結果によれば,観測精度を0.1γ または0.01'〜0.02'にするためには補償磁場の0.5"以内という非常に高い方向の安定度が要求される.補償磁場の方向の変化(特に被測定磁場方向への)に起因する誤差は最も大きく安定度に影響するが,この誤差をうえの精度以内にすることは不可能に近いことである.一方,補償磁場の大きさの補償精度は各磁力計で少々差があるが,最もシビアな偏角磁力計の場合2Oγ-30γの精度が必要である.これは技術的にそれほど困難なものではない.偏角の観測精度は測定系が複雑になることもあって,他の水平成分,鉛直成分の観測精度よりも劣る.なお,本論文で議論する観測精度,誤差には光ポンピング磁力計そのものの精度,誤差は含ませていない.この問題については別の機会に述べる.



[全文 (PDF; 日本語; size:1805KB)]


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