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地磁気観測所要報 第26巻 第01号, p.15, 1995年3月


低緯度で観測されるSSC, SIの極性について


角村悟


要旨

 日本の地磁気観測チェーンである柿岡,女満別,鹿屋,父島において観測されたSSC,SIの極性について統計および数値解析が行われる.柿岡での1957-92年における現象報告を元にSSC SIの極性の集計がなされる.H,Z成分の正変化極性(Hは北向き,Zは下向き)同様D成分もほとんどの場合において正変化極性(東向き)を示すことが示される.地磁気双極子座標系に座標変換した地磁気データを元にとられた集計では,SSC,SIともに,D成分の極性にはっきりとした片寄りはなかった.しかし,地磁気双極子座標系に変換することにより必ずしも女満別,柿岡,鹿屋の間の地点間相関係数が大きくなるわけではない.地磁気データの重ね合わせ解析と数値計算結果の対比を行った結果,D成分地磁気変化の地方時依存性は,極域に起源となる沿磁力線電流により引き起こされる電離層電流系のモデルで説明できることが結論される.さらに,地磁気変化の緯度変化は,電離層電流の寄与に加えて磁気圏界面電流,沿磁力線電流および磁気尾部電流の効果を考慮することで説明できることが示唆される.一方,女満別,鹿屋において地下の誘導効果により地磁気変化の水平成分振幅が強められているらしいこと,また,父島で水平成分振幅が期待されるほどには強められないことが示される.地下の誘導効果の振る舞い,特に父島におけるそれは,今後明らかにされるべき調査課題として残る.



[全文 (PDF; 英語; size:931KB)]


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