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平成19年度調査研究のトピックス(1)

草津白根山における調査観測 【火山総合研究から】

草津白根山は群馬県の北西部に位置し、安山岩やデイサイトから構成される成層火山であり、山頂部には湯釜、水釜、涸釜の火口湖がある。有史後の噴火は山頂火口湖周辺で発生しており、19世紀以降の噴火形式は水蒸気爆発である。最近の噴火活動としては1976年に小規模な水蒸気爆発が水釜で発生した。また1982年から1983年にかけて湯釜で5回の水蒸気爆発が観測されている。

図1a 草津白根山の位置   図1b 湯釜周辺における全磁力観測点の配置図
図1 (左)草津白根山の位置。黒三角印は活火山を示す。
(右)湯釜周辺における全磁力観測点の配置図(2007年時点)。四角印は繰り返し観測点、星印は連続観測点を示す。番号は繰り返し観測点番号を、アルファベットは連続観測点の名称をそれぞれ示す。

気象庁地磁気観測所は近年、水蒸気爆発が発生している湯釜や水釜近傍の地下の熱的活動の推移を評価し火山噴火予知に貢献するため、湯釜周囲で全磁力繰り返し観測及び連続観測を実施している。これまでに観測した約30年分の全磁力データを再評価し、等価磁気双極子による解析を試みた。その結果、以下のような湯釜・水釜周囲の地下における熱的活動の変化が明らかになった。

  1. (1) 1981年頃から湯釜・水釜周辺の地下浅部で熱水等の高温物質による岩石の熱消磁が発生し、1984年から1991年頃にかけて高温物質が上昇したと考えられる。
  2. (2) 1994年頃から2007年にかけては、冷却による岩石の再帯磁と考えられる全磁力変化が観測された。帯磁領域を推定した結果、1984年−1991年の期間で推定される熱消磁領域とほぼ同じ位置に求められた。
図2 等価磁気双極子の位置及び双極子能率
図2 1981年から1991年、1994年から2007年までを7期間(I-VII)に分けて解析したときに得られた等価磁気双極子の位置及び双極子能率。赤丸は消磁、青丸は帯磁をそれぞれ示す。

図中の地形図作成に当たっては、NGDC提供の「ETOPO2」および国土地理院発行の「数値地図50mメッシュ(標高)」を使用しています。


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