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火山で地磁気を観測していると、局所的な地磁気変化を観測することがある。これは、地下からマグマが上昇すると山体が熱せられ、山体を作る岩石に含まれる磁性鉱物の磁気が弱まるためと考えられている。活動が静まると、岩石は地磁気の方向に磁気を帯びて磁性を回復する。このように熱で磁性が失われることを熱消磁、回復することを帯磁と呼ぶ。当所では、草津白根山や雲仙岳などで、地磁気の強さ(全磁力)の時間変化を観測して山体内部の消磁・帯磁の様子を推定し、火山活動の推移を監視してきた。
平成14年には気象庁火山監視・情報センターの観測項目に全磁力繰返し観測が組み込まれ、地磁気を利用した火山活動監視が実施されている。当所ではこれまで培ってきた全磁力観測のノウハウを防災業務に活用するため、全磁力観測データを効率的に処理し解析するソフトウェア(以下、統合ソフト)の開発を行った。
統合ソフトは、全磁力繰り返し観測データ処理機能、全磁力変化モデリング機能を備えている。データ処理機能では、繰り返し観測で得られた全磁力値を入力して(図1)、地球中心部起源や太陽活動起源の変化を除去し、その場所での局所的な変化や前回観測との差が計算できる(図2)。モデリング機能では、観測で得られた全磁力変化分布を説明する最適な熱源を決定する(図3、4)。熱源としては、1〜3個の球体に対応して解析を行えるようにしている。また、山体内の任意の場所で熱消磁や帯磁が起こったときに想定される影響量を計算することもでき、適切な観測点配置の選定にも役立つ。
これらの機能により、観測値の整理・解析・評価の一連作業を支援することができるようになった。現在は、繰り返し観測だけでなく、連続観測の処理にも対応できるように、処理手法の開発を行っている。
図中の地形図作成に当たっては、国土地理院発行の「数値地図10mメッシュ(火山標高)」を使用しています。