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平成26年度調査研究のトピックス(2)

地磁気ブロマイド記録のデジタル毎分値化

研究代表者:増子 徳道

本調査研究では、過去の地磁気ブロマイド記録(印画紙に記録された地磁気のデータ)を数値データへと変換し、これまで毎時値(1時間毎の値)しかなかった過去の期間について、毎分値(1分毎の値)および毎7.5秒値(7.5秒毎の値)の公開を行いました(それぞれ従来の60倍および480倍の時間分解能)。あわせて、電子化した地磁気ブロマイド画像も公開しています。


地磁気観測所では大正2年(1913年)に柿岡で観測を開始して以来、長年にわたって地球磁場の変化を観測し続けており、観測開始から100年を超えました。現在、日々の観測値は全てデジタルデータとして収録されていますが、観測開始から1990年代までは、観測値をブロマイドと呼ばれる印画紙に画像として記録するアナログ記録方式が用いられてきました。その数十年の間、観測により得られた画像記録(図1)は日々の観測者の手作業によって丁寧に読み取られ、毎時値として数値データに変換されてきたのです。

こうして算出された地磁気毎時値データはそのデータ期間の長さと安定性から、太陽や地球内部の長期的な活動を把握するための貴重な資料として世界中の研究者に利用されています。


図1

図1  1日分の地磁気ブロマイド記録(地磁気の水平,鉛直,偏角成分)


平成26年には、更にデータ期間を伸ばし合計20年分(1956〜1975年)の毎分値を公開したとともに、毎分値より更に細かい7.5秒毎の値への変換も行い、データ公開を始めました。この毎7.5秒値はその時間分解能から、比較的周期の短い地磁気脈動と呼ばれる磁場変動を捉えることができ(図2)、研究に使われ始めています。

これら数値データに加え、スキャンして電子化した地磁気ブロマイド画像も当所のWEBサイトで公開し、研究者の利便を図っています。


図2

図2  7.5秒値から読み取れるpi2脈動
   上図:読み取ったブロマイド画像
   下図:デジタル化した毎7.5秒値


    

1970年以前の地磁気デジタル毎分値は、世界的にも柿岡の他にはほとんど存在しないため、過去のブロマイド記録から得られるデジタル値は、世界の研究者の大きな財産となります。
今後もデジタル化を着実に進めるとともに、急激な磁場変動がおこったときの記録を読み取っていく努力を続けたいと考えています。


地磁気データダウンロードのページ:

http://www.kakioka-jma.go.jp/metadata/geomagnetic/geomag_kak/


このデータ作成は、以下の研究助成を受けています。
・平成24年度科学研究費助成事業 (科学研究費補助金(研究成果公開促進費))(課題番号248032)
・平成26年度科学研究費助成事業 (科学研究費補助金(研究成果公開促進費))(課題番号268023)
・平成26年度名古屋大学太陽地球環境研究所 所外データベース作成共同研究



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