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東京の地磁気観測

観測点の位置

北緯 35°41′、東経 139°45′、海抜 21m
(旧本丸北桔橋門の中央気象台構内)

観測点の構造

 絶対観測室は、地上室で屋根が中央で開かれ、北極星の方位観測ができるようになっていた。北側の小窓から駿河台のニコライ堂の金の十字架が見通せられて方位標となっていた。変化計室は、絶対観測室の東18mの所で、地下3mの穴蔵式木造の建物、屋根は二重張り、内部は階段により東西2室に分かれ東室には自記用の変化計が、西室には直視読取り用の全く同型の変化計が設置されていた。


 中央気象台・代官町時代
中央気象台・代官町時代 (丸印が磁力計室)

観測測器

 絶対観測用測器は、DとHの観測は田中舘式磁気儀、Iの観測はカセラ式ディップサークルが用いられた。
 変化計はマスカール型変化計(仏製)によりD,H,Zの3成分の観測を行い、いずれも磁石式でDは単線吊り方式、Hは2本吊り方式で吊り糸には絹糸が使われていた。Zは磁石を水平に支持するバランス式であった。


東京で使用されていた地磁気観測測器
東京で使用されていた地磁気観測測器
(左3つが絶対観測用測器、右2つが変化観測用測器)

観測方法

 絶対観測のHの観測はGauss-Lamont法によるもので、振動測定(M・Hを測定)と偏向測定(M/Hを測定)によりHを算出するものである。DとIの観測はそれぞれデクリノメータインクリメータまたはディップサークルと同じ原理のもので、自由に回転する磁針の指す方向を直読して偏角・伏角が求められる。観測回数は、1897〜1901年は月に1回、1902年以降は月に2回実施されていた。
 変化観測は、最近まで行われていた吊磁石変化計とほぼ同じで、記録方式は灯油ランプを用いた光源器からの光を変化計磁石吊具系またはバランス磁石系に取付けられている鏡にあて、その反射光をブロマイドに受けて写真記録された。 

吊り磁石変化計の原理
吊り磁石変化計の原理

光源から出た光が糸で吊り下げた磁石と一緒に動く鏡に反射し、1日に1回転する回転ドラムに光の点を結ぶ。地磁気が変化すると磁石も僅かに動くが、その変位を拡大して記録する。


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